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研究会について

  1. 設立趣旨
  2. 活動目標
  3. 活動形式

1. 設立趣旨

 

近年,駅・空港等のさまざまな“場所”に,情報提示装置を含むさまざまな形態のメディアが設置され,案内や広告などの用途をはじめとした各種情報が発信されています.なかには,一方向の情報発信だけではなく,利用者が地図や店舗,広告などの情報を自分で触って自由に入手できる双方向のインタフェースも出てきています.


このようなさまざまな“場所”におけるメディアには,“人を確実に誘導する”という目的があります.災害発生等の緊急時には,こうしたメディアは,その場にいる人々を“安全に誘導する”という重要な役割を果たすことが求められてきています.このようなメディアのデザインには,利用者の立場に立った「見やすさ」,「わかりやすさ」といった観点はいうまでもなく必要ですが,平常時には,その場にいる人と人,人とメディアがより快適に共存するために,「居心地が良い」,「便利」,「楽しい」,「親しみやすい」といった感性的なデザイン要素を取り入れた,人と場所の“つながり”のデザインが必要になってきています.


しかしながら,このような“場所”メディアのデザインに関して,パフォーマンス,認知,思考といった側面からアプローチしてデザインする,いわゆる「ユーザインタフェースデザイン」や,建築分野や人間工学での,人間の身体的な観点からの研究成果や先行の指針だけでは,どのようにデザインすればよいのかが明確になっていません.メディアが設置された“場所”は,まさに人と人,人とメディアのコミュニケーションの場であり,その“場所”に着目したメディアデザインは,コミュニケーションの本質的な問題を含んでおり,この意味でも学術的にも大きな貢献ができる分野であります.


本研究会は,さまざまな“場所”におけるさまざまなヒューマンコミュニケーションに着目し,人と人,人とメディアがより快適に共存する“場所のメディア”デザインに関する指針や方法の導出,人と場所をつなぐインタフェースデザインの実現に向けて,さまざまな分野の研究者や技術者間でのディスカッションをおこなうことにより,新しいアイデアの創発を促進するだけでなく,ヒューマンコミュニケーションの本質的な問題を議論する場として設立を企画した次第です.

2. 活動目標

 

本研究会が最終的に想定する目標は「人と場所の、もしくは人と人との場所を介した最適な“つながり”の実現に向けて,インタラクションの円滑化技術の開発,およびインタラクション・モデルの構築を通して,メディアデザインに関する指針や方法を導出すること」です.
しかしながら研究の性質上,文理融合的な側面が強いため,拙速な工学的技術開発よりも,当面はむしろ<場所に着目したインタラクションモデルの解明>という問題意識の共有といった形での議論の深化を重視することとします.
具体的には,情報工学,人間工学,感性工学,心理学,社会学,建築学といった種々な分野で活躍する研究者を積極的にメンバーに加え,個々人の研究発表をトリガーとした広域的なディスカッションを展開していく方法をとっていきます.

3. 活動形式

 

年三回程度の研究会にて密な議論を行うとともに,その際に種々の関連研究会との併催を企画し,広い交流をはかる.また,そのうち一回をシンポジウム形式にし,関連分野の専門家を広く集めて議論を行う.
会員資格は本研究会に実際に参加した者に無条件で与えることとする.研究会開催の連絡は新設するFacebook上で行い,会員にはこちらでも開催連絡や事務連絡を行う.このようにセミクローズドかつセミオープンな形で研究会を運営することで,積種的な議論支援と広範囲な活動の両者を達成できると考えている.

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